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■神田川の水質の変化をBOD(生物化学的酸素要求量)で見てみました。 測定地点は、神田川の最下流で隅田川に合流する直前に架かる「柳橋」、中流域の文京区江戸川公園の神田上水大洗堰付近に架かる「一休橋」、上流域で善福寺川が神田川に合流後最初に出会う「和田見橋」の3地点です。1971年(昭和46年)から2005年(平成17年)までの35年分のデータを用いてグラフを描きました。 1987年に落合処理場で高度処理が開始された頃から劇的に数値が下がっています。また、1994年に下水道整備率が100%になってからは更に低い数値で安定してきているようです。このような状況で、1993年4月16日テレビと新聞が「神田川にアユ戻る」と一斉に報じました。 アユの写真 → 「神田川の鮎の写真」 ボラの写真 →「神田川のボラの写真」 生活環境の保全に関する環境基準(河川)でC類型に定められている神田川ではBODが5mg/L以下とするよう求められています。 |
<資料:東京都環境局「公共用水域及び地下水の水質測定結果」> |
■BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)とは、 水中の汚濁物質の量について、それが微生物によって酸化分解される際に必要とされる酸素量で表しています。BODの値が高い川は、それだけ汚染されていることになります。アユが成育する川は2mg/L以下であり、人為的汚濁のないきれいな川のBODは1mg/L以下となっています。 反対に、10mg/L以上になると悪臭がするといわれています。 |
■河川の類型とは、 河川の水質改善の目標を数値で示すことによって、流域の関係者が努力していこうとするシステムと考えるべきでしょう。 類型に指定されるということは、その類型が示す環境基準に合格しているというふうに考える人が多いかと思います。残念ながら、類型に指定されるということは、幾つかの項目で合格点に達していないからこそ、目指すべき状態として一段階上の類型に指定していくことが必要なのです。 現在の神田川は、環境基本法に基づく「水質汚濁に係る環境基準の公共用水域の水域類型の指定等」平成9年5月13日東京都告示第597号で、C類型に指定されています。 神田川に関して指定の変更をみると、昭和51年(1976年)にD類型に指定されていましたが、平成9年(1997年)に1ランク上のC類型に指定されました。類型に指定する時には、目標を達成すべき時期もあわせて指定されます。神田川が平成9年にC類型に指定された時、「直ちに」目標を達成することが求められました。平成6年(1994年)には流域の下水道が100%整備されていたことから、C類型の目標達成は直ちに可能と考えられていたようです。少なくとも、BODで見れば、5mg/L以下という基準は達成されているようです。 水質の環境基準は、環境基本法に基づいて、水質保全行政の目標として公共用水域の水質等について達成し、維持することが望ましい基準を定めたものであり、@人の健康の保護に関する環境基準と、A生活環境の保全に関する環境基準の二つがあります。前者の健康に関する項目については一律に定められていますが、後者の生活環境に関する項目については、河川、湖沼、海域ごとに利用目的に応じた類型が設けられ、それぞれに基準値が定められています。 |
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