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ニュースピックアップ
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2003年8月27日(水)
紫外線指数(UVインデックス)
気象庁が来年度から0〜14までの紫外線指数(UVインデックス)という形で紫外線の強さを予測する。指数3以上の場合、屋外での活動には何らかの紫外線対策を取る必要があり、8以上なら外出はなるべく控えるほうが良いというものだ。
1970年頃から、紫外線への過剰暴露は皮膚ガンや白内障のリスクを増加させるということが言われるようになった。危険が声高に言われていても、夏になると海水浴や日光浴に精を出す若者が多いのは、太陽を善と感じる生物の本能によるものだろうか。
UVインデックスは気象庁オリジナルのものではなく、1997年に世界保健機関(WHO)や世界気象機関(WMO)などが共同で開発したものだ。東京は4月から8月はUVインデックスの最高値が8を超える日が出るが、ダーウィン、ナイロビ、シンガポール、バンコクなどは12ヶ月を通じて最高値が8を超える日がある。
詳しくは、WHOのThe Global UV Project “INTERSUN”のホームページで世界中のUVインデックスを見ることができる。
2003年8月24日(日)
ドラッグ・デリバリー・システム
ミクロの決死圏という映画があった。体内の悪者ロボットと戦う最後のシーンは笑ってしまったが、患部の特定の部位だけに作用する治療の実現はすばらしいことだ。
映画のようにはいかないが、文部科学省は、ナノテクノロジーを使って薬物を体内で運搬し、薬を徐々に放出したり、患部だけに薬を投与することができる高性能なカプセルを開発することを決めた。物質・材料研究機構(茨城県つくば市)と東京大学、京都大学が組んで、5年以内に臨床試験を始めることを目標に来年度から取り組んでいくそうだ。
2003年8月12日(火)
献血前問診票への虚偽記入に罰則
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会血液事業部会の中に新しく設置された運営委員会第1回会合が11日に開かれ、献血の際に身分証明書を提示することを義務づけることや問診票に虚偽を記入した場合には罰則を設けるということが提案された。
問診票には、肝炎や妊娠など、もし該当すれば明らかに献血を断られる設問が並んでいる。設問の最後のほうに、「この1年間に次のいずれかに該当することがありましたか」として「不特定の異性と性的接触を持った」「男性の方:男性と性的接触を持った」「エイズ検査で陽性と言われた」「麻薬・覚醒剤を注射した」の項目が並んでいるようだ。献血所のドアを入るような人は問診票のこのような拒絶的な設問に接したからといって、「該当します」と正直に言うことはほとんどないのではないだろうか。良心的な人であれば、設問に該当するものを見つけた場合、その先には進まないで黙って退出するだろうと思う。
厚生労働省の統計によると、昭和62年から平成14年までに献血でエイズウイルスに感染していることが分かった人は687人になるそうだ。いわゆるウインドウ・ピリオドの期間であれば検査で区別できずに輸血に使われてしまう。
善意やプライバシーを云々する前に運営委員会での提案にうなずいてしまわざるを得ない状況があまりにも多い。
2003年8月9日(土)
船舶による環境攪乱
バラスト水による生物の意図せざる移動
貨物船を安定させるために積み込む「バラスト水」と呼ばれる海水に乗って移動させられた生物が移動先の海洋環境を乱してしまうことが問題になっている。国際海事機関(IMO)では、バラスト水中の生物の除去などを船舶に義務づける「バラスト水規制条約」が検討されている。日本は商品の輸入が多いため、反対にバラスト水を輸出していることになる。世界に迷惑をかけてはいけないので、環境省は、貝類や藻、プランクトンなど、海外に拡散すると問題になり得る生物の季節別の生息状況を調べることにした。
有機スズ化合物船舶塗料で脊椎動物もオス化!
船舶の塗料などに使われる有機スズ化合物「トリブチルスズ」(TBT)が巻き貝をオス化することは知られているが、脊椎動物のヒラメもオス化することが確認された。九州大学大学院の大嶋雄治助教授(水産生物環境学)らが確認した。TBTは60年代からフジツボなどが付着することを防ぐため船底や漁網に塗布されているが、欧米では80年代、日本でも90年代初頭までに使用は中止されている。2008年には、TBTの船舶への使用を全面禁止する国際海事機関の条約が発効する見通しだそうだ。しかし、各地の港湾の海底にはTBTが蓄積されていることも確認されているので、影響がどのように出てくるか気になるところです。
2003年7月30日(水)
輸血用製剤にウィルスを死滅させる「不活化」処理導入を!
薬害エイズを教訓として生まれた血液法が30日施行されたのを受け、厚生労働省は日赤に対し、輸血用製剤にウイルスを死滅させる「不活化」処理を導入するなど安全策を早急に検討するよう通知した。
薬害エイズ以来、献血血液に対して高感度検査を導入するなど、日赤は感染防止のため様々な対策をとっていたようだが、「HIV感染血液の献血検査すり抜け(7月16日)」や「輸血用血液製剤約6400本が肝炎ウイルスなどに感染していたのに検査をすり抜け全国医療機関に供給(7月29日)」など厳重な検査の無力が報道されていた。
このような調査結果の報道のたびに、検査の精度のようなものに言及され、ある程度のウイルス混入は容認せざるを得ないような論調を感じ、不安に思っていたが、「不活化」処理の導入の検討に期待したい。一日も早く導入して標準処理としていただきたいものである。
それにしても、ウイルスの場合「消毒」や「殺菌」と言わずに「不活化」と言うもののようですね。
2003年7月15日(火)
国土地理院が1/25000地形図をウェブ上で公開!
国土地理院が、縮尺2万5000分の1の地形図を15日から、インターネットで公開した。日本全土を網羅した2万5000分の1の地形図は4338枚(一枚縦46センチ、横58センチ)になるそうだ。これがネット上でいつでも閲覧できるという環境はまことにありがたい。
しかし、ひと昔前では詳細地形図は国家の軍事上の最高機密として扱われていた時代もあったことを考えると隔世の感であります。
2003年6月4日(水)
妊婦さん要注意!
妊婦さんはキンメダイとメカジキを食べるのは週2回以内にするよう、厚生労働省が注意を呼びかけた。
妊婦以外の人は気にする必要がないとのことだが、妊婦が食べれば胎児に悪影響が出るというものなら、普通の人でも気持ちが悪いだろう。キンメダイの消費量が落ち込むに違いない。しかし、そんなに急いで発表する必要があったのだろうか?
妊婦が気を付けるべき食品はこの魚だけなのだろうか?もし必要なら、他の食品も含めて、妊婦が食事制限すべき食品として全体像を示して注意喚起すべきだったのではないだろうか?
2003年6月2日(月)
性転換と戸籍
性同一性障害のため女性から男性への性転換手術を受けた人が、戸籍の性別の訂正を求めたが受け入れられなかった。家事審判で性転換後への性別変更が認められなかったため、最高裁判所に特別抗告していたものらしい。
詳しいことはわからないが、性同一性障害というものは肉体と心の不一致を医学的に認めているものだとしたら、心に肉体を一致させれば、社会はその性別を受け入れるべきという気がする。社会は「何を根拠に性別を戸籍に記載しているか」を考えても、心もとないのではないか。たとえば、オリンピックなどで性別判定の結果「女ではない」と判断された「女性」競技者は戸籍の記載を変更するのだろうか?戸籍の性別は、一定の医学的根拠があれば、本人や家族が望む「性別」を記載するので差し支えないと思いますが、如何でしょうか?
2003年6月1日(日)
日本書紀の信憑性
むかし、地球は今よりも速い速度で回転していた。逆に言うと地球の自転速度は徐々に遅くなってきているらしい。回転速度が遅くなる度合いの見積もり方の違いで過去の天文現象の状況が異なってくる。
国立天文台の研究者たちが今までよりも自転速度が速かったとして計算をし直したところ、日本書紀の皆既日食の記述「推古天皇三十六年三月二日、日蝕え尽きたる」や火星食の記述「天武天皇十年九月葵丑、螢惑月に入る」が起こるような自転速度が設定できるようだ。それによると、都があった奈良県明日香村付近では、従来の計算では食分が0.92の日食であった628年の日食は皆既食になり、従来の計算では火星が月に最接近するだけだった681年11月の現象も火星食であったことが裏付けられる。
おもしろい話だが、日本書紀の記述のほうが正確であるとすれば、天文学のほうの地球自転速度の低減率を訂正しなければならない。それとも、現在使っている自転速度低減率が正確だとして、あくまでも権力者の都合を反映するような日本書紀の記述は間違いであるとするのでしょうか。
それにしても、6万年に1秒遅くなる自転速度の影響が、たった1400年前の天文現象の生起を分けるとは、天文学者さんはものすごく精緻な計算をしておられるのですね。
2003年5月29日(木)
視覚情報処理能力
息子が読めば喜ぶ見出しが踊っている。テレビゲームで識別力アップだそうだ。脳認知科学の研究者チームが実験で明らかにした。さっそく、眼科の先生が「ゲームはせいぜい1日1時間にすべきだ」とお決まりのコメントが出ているのはご愛敬。
確かに、ウェブサーフィンでホームページを次から次へと切り替えて目的のページにたどり着く様子を見ていると、ゲーム好きの息子のテンポの速さには付いて行けないと感じることが多い。新たな人類の進化が始まっているのかも?!
2003年5月29日(木)
18個の超新星
ハワイすばる望遠鏡の威力が示された。夜空の満月ほどの広さのエリアに18個の超新星を同時に写し込んだ写真が公開された。今秋に予定される観測で、宇宙は膨張を続けるのか、あるいはある時点から収縮を始めるのかが判るらしい。
そんなことが判っても我々の日常に変化はないと思うのだが・・・・、どちらかというと収縮すると判った方が、宇宙の入れ物の大きさのことで心配しなくてもよいかも知れませんね。
2003年5月28日(水)
ヒトES細胞は公共財産
胚性幹細胞作りに国内で初めて成功し、今秋には、約50カ所の研究機関に200万個ずつ無償で配布できるそうだ。ES細胞というのは公共財産という取り扱いをすることが決められており、京都大学再生医科学研究所だけが作出を認められていた。
不妊治療のため冷凍保存してあった受精卵を、卵子、精子の提供者である夫婦の同意を得て発生させたそうだ。ということは、その夫婦の子孫を無限に増殖させて、様々なヒトの器官に育て上げられて行くことになる。その夫婦は不思議な経験をすることに同意されたものである。
2003年5月23日(金)
犯罪発生マップ
今日から「犯罪発生マップ」を警視庁が公開するというので楽しみにしていた。
さっそく、警視庁のホームページをのぞいて見た。5つの罪種「ひったくり」「住居対象侵入盗(空き巣)」「事務所等侵入盗(事務所荒らし)」「車上ねらい」「粗暴犯」について発生密度が色分けして地図上に表示される。なるほど、薄暗いけれども結構人通りが多いところはひったくりが多いような気がする。事務所荒らしが多い所は空き巣が少ない・・・?!、単にビジネス街と住宅地(ベッドタウン)というエリアの性格が違うだけですよね。
マップを眺めていると色々と納得できるような気がする。地域を理解するうえで、納得性の高い情報の一つだと言えそうです。ただ、マイホームを構えた人たちや不動産関係者から不動産評価に影響すると苦情が出てくるかもしれませんね。しかし、事実を分かりやすい方法で提供しようとする警視庁の姿勢は良いと思います。
2003年5月20日(火)
弥生時代の絶対年代
「考古学」として学問を標榜してきた学界の学究能力に首を傾げたくなる出来事がまた現われた。
「また」と言うのは、一人の発掘マニアを「神の手」などともてはやし、石器捏造、遺跡捏造を見抜けなかった体質が露見した事件を思い出してのことである。「加速器質量分析計を使った放射性炭素(C14)年代測定法」がどれほどのものか知らないが、日本の考古学界を率いる重鎮学者たちの恣意・私情を排除できる客観性は十分感じさせてくれる。これまでに定説を覆そうとした人たちの研究が、また、陽の目を見ることが出来るのであろうか。まぁしかし、2000年も3000年も前のことは、事象が発生した順序関係をきちんと捉えることができれば、絶対年代は後から付いてくることで問題は無いように素人目には思えますね。
2003年5月14日(水)
子どもの気になる言動
米中枢同時テロと米英軍のアフガニスタン攻撃の後、教育評論家と言われる人が行ったアンケートで、「積み上げたブロックに飛行機のおもちゃをぶつけ、銃を撃つまねをする・・・・」という「気になる言動」の子が1割いたそうだ。その評論家氏は「衝撃的な映像を繰り返し放映することを控えるなどの配慮が必要」と結論付けている。
これまでの大人たちには予想すらできない厳しい現実を生きていかなければならない未来の大人たちに、現実を隠すことで、今の大人の不甲斐なさの免罪符にでもしようというのであろうか?
2003年5月13日(火)
インスリン分泌を促す米
日本製紙などの研究チームが、遺伝子組み換え技術を使い、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌を促すたんぱく質を含む「米」の開発に成功したと発表した。糖尿病患者は、インスリン注射などで血糖値を下げているが、主食の米を食べるだけで血糖値を下げる効果が期待できるそうだ。
遺伝子組み換え食品に猛烈な拒否反応を示した日本国民の反応や如何?
大量生産すれば普通の米と変わらない値段になるということですが、普通の米と混じっちゃうと分からなくなるのでしょうね。白飯が大好きな者としては、遺伝子組み換えが怖いのではなく、インスリンが出過ぎても大丈夫かが心配なんですが・・・。
2003年5月2日(金)
爆発物の携行持ち込み
アンマン空港で毎日新聞社カメラマンが持っていた爆発物が爆発して係官が死亡した。飛行機への爆発物持込を未然に阻止した功績は非常に大きい。報道関係者によるイラクの歴史的遺物の持ち出しが後を絶たないという事態に対処して警備を厳しくしていた矢先の事件だそうだ。
国際派や海外慣れを自認する日本の報道関係者の認識の甘さがきわだっている。厳しい現実を一歩踏み込んで取材する使命感とは裏腹に、国家間や地域勢力間の戦争状態に対して傍観する観光者気分が露呈している。
2003年4月30日(水)
オランダという国
安楽死、売春、大麻、同性の婚姻の次は?
2002年4月、世界に先駆けて安楽死を合法化した国がオランダだ。昨年の安楽死は1800件を越えたそうだ。安楽死評価委員会はそのうち5件は殺人の疑いがあるとして調査しているらしい。
オランダは人間社会で考えうる様々な情念の可能性に挑戦してきている国家社会である。
飾り窓で有名な売春も1912年施行の売春管理法で自由業として認められていたが、2000年10月には正式な労働として保護されるようになった。
一定の制約条件の中でなら、1976年から「コーヒーショップ」での大麻の取引が認められている。ただし、日本人は世界のどこにいても大麻を喫ったら処罰されるので、用心が必要だ。
2001年4月から同姓の婚姻に異性間の婚姻と全く同等の権利を認めている。
次はどんな情念への挑戦が待っているのだろうか。「麻薬」、「セックス」、「結婚」、「死」と来れば、残っているのは「誕生」だ。自らの「クローン」を合法化する国になるのかも知れない。
2003年4月29日(火)
県名認知度
子どもの時に使っていた地図帳は便利なので、今でも本屋で2冊購入して、自宅と職場に置いて頻繁に参照している。学習用地図帳出版大手の帝国書院の名はちょっとレトロだなということで記憶に残っていた。
帝国書院が小学生の高学年を対象に、47都道府県名とその場所をどれくらい知っているかを調査した。あまり強調しては失礼なのだが、やはり佐賀県の認知度は低かった。低いほうから、福井県、山梨県、島根県、佐賀県、徳島県となっている。
佐賀県に住んでいたころ、佐賀県と同じくらい認知度が低いだろうと仲間意識?を感じていた石川県は認知度の高いほうから11番目で、半分以上の生徒が正確に場所と名前を言い当てている。解説では半島が大部分を占めている形なので石川県は識別しやすいということらしい。
佐賀ではゴールデンウィーク恒例の有田の陶器市が開かれている。えっ「有田」って、佐賀県だったっけ!?てな具合でしょうけど・・・。
2003年4月25日(金)
美術品の撮影
美術館や博物館に「館内撮影禁止」の注意書きがあっても、カメラ付き携帯電話で記念撮影する人が後を絶たないと関係者が嘆いているそうだ。注意書きを読んでいても無視するのはモラルがないと言わざるを得ないが、しかし、美しい感動したものと一緒に記念撮影したいという願望を叶えてやっても良いのではないだろうか。
むかし行ったルーブル博物館では撮影は禁止されていなかったし、更に言えば、絵画に無粋なガラス蓋もなく、油絵の具のアンジュレーションを間近で直接目にすることが出来た。「フラッシュ」は鑑賞している他の人に迷惑であるかもしれないので、「フラッシュ」を焚かない撮影は許してもらえないのでしょうかね。著作権に影響するなら、その旨をきちんと掲示して撮影料金を取るほうがすっきりする。今のままでは、感動の発露の結果としての行動(撮影)であっても、美術館や博物館での撮影はモラルに反するという誤解が定着してしまいそうで、若い感性が萎縮してしまいそうな気がします。
2003年4月24日(木)
復活再生のメカニズム解明
世界のあらゆる場所あらゆる時間においても撮影クルーが入り込んで、良質な映像を茶の間に提供してくれるようになった。そんな映像の中には、乾燥した大地にひとたび雨が降れば緑の絨毯が広がり、一面の花畑になる映像も多くなった。さらに、昆虫の大発生や水たまりのおびただしい数のおたまじゃくしなどを映し出している。いったいどこにこんなに沢山の生物が隠れていたのかと驚く。
農業生物資源研究所が、ミイラのように乾燥したまま長期間置かれていたネムリユスリカの幼虫が水につけると生き返るメカニズムを解明したそうだ。生鮮食品の常温乾燥保存につながる成果だそうで、冷凍保存より経済的に食料備蓄・運搬する技術につながるそうだ。食料よりも人間に応用したらどうなるんでしょうか・・・。
2003年4月21日(月)
大学キャンパスは全面禁煙へ
禁煙というか忌煙の動きが力を増している。昨年11月に千代田区が路上喫煙を禁止したが、大学のキャンパスを全面禁煙とする動きが広まっているらしい。アメリカインディアンが喫っていたころのたばこは、神聖で社会的に意義があり個人の精神面においても良い影響を持っていたのだと思う。
現代のタバコを悪者にした根源は、一にも二にも石油化学製品を使った「フィルター」を採用したことだと思う。このフィルターによって喫煙者は、「体へのダメージが少ない」と安心して大量に喫煙するようになった。さらに、いつでもどこでも容易に火をつけられるようになったため、屋外で安直に喫煙し吸殻を放置するようになった。その吸殻の大部分を占める石油化学製品のフィルターは、水に溶けることも土に帰ることもなく、アスファルト路面のくぼみや公園の植え込みの根元に集積されて、景観を害し続けてきた。
タバコの復権には、紙巻タバコと「フィルター」を全面禁止し、昔のキセルを使った喫煙法のみを許すようにしてはどうであろうか。世の中にゆとりと風情がよみがえり好い影響が期待できると思うのだが。そんなことを考えていると、道後温泉本館でも全面禁煙としているという記事が目に入った。
2003年4月11日(金)
コンコルドの運行中止へ
「コンコルド」とはフランス語で「協調」という意味だそうだ。英仏の共同開発で誕生した超音速旅客機コンコルドの運行を今年10月で取りやめることにしたと発表があった。
ITなど通信コミュニケーション技術の発達普及によって、人が直接出向いて交渉したり調査したりするニーズが小さくなってきているのだろう。仮に移動する必要がある場合でも、移動する時間を快適に過ごすことへの要請のほうが高まっているような気がする。狭い座席に押し込められてその苦痛が続く時間を少なくする方策よりも、長い時間であっても肉体的・精神的にゆったり過ごせる空間の提供に努力を傾けることのほうが、人々のニーズに応える方向であると思う。
2003年4月7日(月)
鉄腕アトムの誕生日
鉄腕アトムの原作では、アトムは2003年4月7日に新宿区高田馬場の「科学省」で誕生したという設定になっているらしいが、高田馬場界隈に住む者以外にはたいした感慨をもたらすものではないらしい。職場で、「今日はアトムの誕生日だ」と言っても、反応は薄い。
アトムが発表された昭和27年は50年以上前だが、第2次世界大戦の終戦間もないときに50年以上も後の時代で、しかも「21世紀」という「未来」に属する2003年4月7日は途方もない未来と感じられていたにちがいない。我々はそんな「未来」に身を置いているのだが、果たして当時の人々の夢に恥じない世界を築いて来たのか・・・。
そういえば2001年1月には同様の感覚が湧いたことを思い出す。リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトストラはかく語りき」をBGMに宇宙遊泳を表現したスタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」に神秘的な未来社会を予感させられていた身としては、2年前あっけない21世紀の始まりに物足りなさを感じたものだった。

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