「こしのくに」 |
■雪の合掌造り集落 岐阜県大野郡白川村、富山県南砺市平村相倉地区 |
■2009年の年末と2010年の年明けに雪の合掌造り集落を訪ねた。 ■年末は雪が降りしきっていたが、年明けは大雪が降った後の晴天に恵まれた。 ■合掌造り家屋は、世界遺産(文化遺産)に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が有名だ。 ■富山県南砺市の越中五箇山相倉集落と越中五箇山菅沼集落、岐阜県大野郡白川村の白川郷荻町集落、の3集落に属する合掌造り家屋が遺産登録されている。 ■白川村の荻町集落では、合掌造り家屋は現在114棟あるが、大正13年には約300棟あったそうだ。 ■「五箇山」の地名は、5つの山ではなく、赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の「五箇谷間」が転じたそうだ。 ■合掌造り家屋は、1階部は住居で、2階以上の大きな屋根裏的空間は蚕棚を配して養蚕が営まれていた。 ■更に、合掌造り家屋の床下では、火薬の原料が造られていて、国内最高の品質と評価されていたそうだ。 ■火薬の原料は、土壌から析出する硝石が使われるが、湿潤気候の日本では、家畜小屋や便所の周りの床下で少しずつ生成される硝石を採取して用いていた。フランスも同様で、硝石採取人という職業があり、あらゆる家に立ち入って床下や穴蔵の土を採取する特権が国王より与えられていたそうだ。 ■合掌造り集落では、草と蚕糞と床下土壌を用い、堆肥製造技術を応用した「培養法」で大量に製造していた。 ■製造された火薬原料は、本来「煙硝」と記されるが、加賀藩では「塩硝」と表記して製造実態を秘匿したようだ。 ■合掌造りの木組み構造を見ると、1階の直方体部分と上部の横倒しにした三角柱形状の構造とに分離される。 ■1階の直方体部分は軸組部と呼ばれ、専門技術者である大工が柱、桁、梁をしっかりと組み上げる。 ■2階以上の三角柱形状は小屋組部と呼ばれ、集落の住民が丸太材、縄、蔓を使って組み上げる。 ■30年以上経って屋根を葺き替える際、集落住民が持っている技術で対応できる構造が小屋組部だ。 ■半永久的に使う1階部はプロの技術、定期的な修繕が必要な屋根には自前の技術、という合理的な発想だ。 |
2009年12月31日 白川郷荻町合掌造り集落/岐阜県大野郡白川村荻町地区 |
2010年1月9日 越中五箇山相倉集落/南砺市平村相倉地区 |
2010年1月16日 白川郷荻町合掌造り集落/岐阜県大野郡白川村荻町地区 |
白川観測所で、1月13日37cm、14日36cm、15日38cmと三日間降り続いた直後の晴れ間。16日の積雪深は228cm。 |
2010年1月16日 白川郷 |
2010年1月30日 白川郷/ライトアップ |
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