<能舞> 青森県東通村 2007年 11月 24日撮影
青森市にある青森県観光物産館アスパムで「2007青森県まるごと市町村まつりinアスパム」が開催され、各地の地場産品の紹介とともに、郷土芸能が披露されていた。
郷土芸能には県内19団体が参加し、「能舞」は東通村郷土芸能保存連合会鹿橋青年会によって「鐘巻(かねまき)」が演じられた。

「能舞」は、和歌山県の熊野権現が発祥の地と言われ、14世紀に基本形式が完成し、山伏や修験者によって日本各地に伝えられたが、現在では東北と北陸で伝承されるのみとなっている。
東通村の「能舞」は、15世紀に修験者が目名不動院を建立して以来受け継がれ、現在でも多くの集落で舞われている。平成元年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
正月2日から各集落では、権現様(獅子頭)の歯打ちによって悪魔退散と五穀豊穣を祈祷する門打ちが各家を回り、夜は集会所で能舞が演じられる。

能舞は、式舞(儀礼舞)、武士舞、修験舞、道化舞、権現舞に分類できる。式舞では、鳥舞・かご舞・翁・三番叟の4演目が舞われる。武士舞では、東北人が好む武人に関わる演目が多く、源氏に関するもの(信夫・屋島・鈴木・鞍馬・巴・渡辺)や曽我兄弟に題材を求めたものが演じられる。修験舞では、神通力や法力など修験者の能力を誇示する鐘巻が演じられる。道化舞は、笑いを提供する10の演目が伝承されている。能舞演目の最後を飾るのが権現舞で、悪魔退散・五穀豊穣・火難水難からの守護を祈祷する。
鐘巻(かねまき)
能舞の代表演目で、鬼神になった娘を、修験者が祈祷によって救い出すという、修験者の法力を誇示する内容であり、修験能としての仕立てになっている。元ネタは紀州の道成寺縁起と見られ、能では「道成寺」、歌舞伎では「京鹿子娘道成寺」として完成している。
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面をつけない舞。
仏教に深く帰依した庄屋の一人娘。
笛、太鼓、手平鉦。詞章を唱えるうたかけ。
神通力を持った修験者。腹の底からの唸り声が会場に轟いて観衆を圧倒する。
発狂した娘が鬼女となる。
神通力で鬼女を元の娘に返そうとする修験者。
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